無題

 私の一生は、運命を握っている人たちに贈賄という手をいやしんで、逆にその蒙をひらいてやろうと尽力するような代物だった。だが、彼らを啓発するなど、植物に脳を移植するにもひとしい愚行であった。私は愚行の人をまっとうした。もって瞑すべし。
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