無題

 偏見だの、人生のさまざまな醜さや汚さが必要なのは、時の流れとともにそれらが、ちょうど堆肥が黒土に変わるように、何か役に立つものに変わってゆくからだ。この地上には、源泉に醜悪さを持たないような立派なものは、何一つ存在しない。
―チェホフ『六号室』