栄誉というものは、それを受けるに値しないのにただ愉しもうとする者には何のよろこびともならず、それを受けるに値する者の心にのみ不断のときめきを与える。

JUGEMテーマ:読書

《わが子へ》

出産というものが、絶対に望ましい出来事とされていることを想い出す。しかし私は、どんなことにも、非難と叱咤は運命づけられたものと思い定めている。で、私はこの出来事に何らかの処罰の意味をつけ加える。

子供というものは、やさしき全能の神の手で人の棲み家に贈り届けられたものではない。秘めやかで、淫靡で、安逸な快楽の結果である。その罪滅ぼしのための苦痛と危険をわが身に背負って(それは肉体とばかりかぎらない)、母親のからだから出てくるものだ。

永遠の真理の予感が私の胸の奥に燃え上がる。それはとりもなおさず、秘めやかで淫靡な安逸の残滓である子供は、父母にも贖罪のための苦痛と危険を与える原形質である、ということだ。すなわち、彼らの罪の正体がばれないように、出産という出来事は祝福されなければならない。そして罪人こそ罪証の子を愛し、罪証の子こそ罪人を愛するという相関関係が、さらに罪人同士の傷のなめ合いがないがしろにされれば、一瞬のうちに、贖罪の傷口から噴き出した血である『愛』はことごとく汚物として唾棄されるのである。

 

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     ・・・・・・・・・・
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―竹内銃一郎(劇作家)―

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