JUGEMテーマ:読書
 

 顔容を含む美しい肉体をあえて忘却するあらゆる種類の禁欲主義は、人間に対する最も唾棄すべき冒瀆だと私は信じている。私は高い精神を養う美しい(それは文字どおり美しいという意味であって、生理的に健康なという意味ではない)肉体の意義を確信する。高雅な精神を包摂した肉体の美的完成は、尊崇に値する。肉体の美が増すと、精神の美も増してゆくのが必然だと私には思われる。したがって、精神の貧弱な美男・美女は存在しえない。善男・善女はつねに美しい。総合的な肉体の美を獲得してはじめて、相応の精神へ昇華すると観るのが正しいだろう。逆もまた真。価値高いものへ昇華してゆく精神を獲得する途上で、人は美しくなっていく。