JUGEMテーマ:読書
 

小説は自己表白ではなく、また、数多の他人の事跡をたどって羅列していく「歴史」とも異なる独特の使命を課されている。つまり同時代の社会思潮に巻きこまれ、翻弄される個人を、ありのままに描く任務を持っている。その原則は、真実、明晰なること、これだけである。

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私は、歴史上にひとりのイエスなる人間が実在したことを信じている。大いなるやさしさと知恵にあふれ、道徳の教師であり、預言者であったひとりのユダヤ人の実在を信じている。しかしそのイエスを「神の子」と認めることはできない。自分の息子が十字架の上であの恐ろしい緩慢な死を与えられているのをなすすべもなくただ眺めていられるような、そんな全能の神の存在はぜったい肯(がえ)んずることはできない。人間の父親ならば、命がけで息子を救いにいくだろうに、その衝動に動かされることすらなかった、そんな「神」の観念は、それこそ理想的な絶対物である神を冒瀆するおぞましいものだ。したがって、瞑想に明け暮れるキリスト者の生き方を、私は非合理なばかりか、無益なものと見なしている。彼らはいったい何を瞑想しているのだろう。

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   『すべてのことは人をうみ疲れさせる
   人はこれを言いつくすことができない』

1  笑い疲れているが、あしたも笑うであろうということ。
     ・・・・・・・・・・
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―竹内銃一郎(劇作家)―

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