2014.05.16 Friday
雑読
漫画からエロ本・哲学書まで―雑読は私のモットーである。この姿勢に益したのは、私の無学だった。体系のない人生。手当たりしだいの享受。その指針は、関心を抱くすべての分野に貫かれた。童謡・民謡からクラッシックまで。ミーハー邦画からシリアスな洋画、さらには解釈不能な前衛映画まで。学がないので、先入観がない。体系がないので、枝葉末節に興味が行く。
人付き合いにも体系を求めなかった。無事なだけの名馬から剣呑な土方・ヤクザまで。おかげで人間というものを階級や権威や富ではなく、それぞれの人格の固有な美によって判断する体質を獲得した。その体質は、人間の美しさを記憶に留め、それを抽出し、表現として定着させるライフワークに結実した。
私のような人間と付き合っても、相手方に利得はない。それでも、ある種、後援者のように振舞いながら私を支えてくれる数少ない人びとがいる。彼らは私の人付き合いの体系から外れた、きわめて異質な人びとである。私と付き合うのではなく、私を援けるのである。私は彼らのために、作品の表現を研ぎすまし、私の脳漿の果実を届けるために延命している。
人付き合いにも体系を求めなかった。無事なだけの名馬から剣呑な土方・ヤクザまで。おかげで人間というものを階級や権威や富ではなく、それぞれの人格の固有な美によって判断する体質を獲得した。その体質は、人間の美しさを記憶に留め、それを抽出し、表現として定着させるライフワークに結実した。
私のような人間と付き合っても、相手方に利得はない。それでも、ある種、後援者のように振舞いながら私を支えてくれる数少ない人びとがいる。彼らは私の人付き合いの体系から外れた、きわめて異質な人びとである。私と付き合うのではなく、私を援けるのである。私は彼らのために、作品の表現を研ぎすまし、私の脳漿の果実を届けるために延命している。