ユタ

 JUGEMテーマ:読書

 サンフランシスコからロスアンゼルス、ロスアンゼルスからラスベガス、ラスベガスからソルトレークシチーへ。叔父の車がユタまで走った途上の光景を思い出す。地層の見える塚が延々とつづくその砂漠は、岩だらけで荒れ果て、もとは植物だったのだろうが、いまは醜いトゲ状の物体と化したものが、非情な陽ざしにあぶられて、無限の彼方の地平線まで並んでいた。タイヤを燃え上がらせている車を目撃した。摩擦でやられたのだと叔父が言った。現実とは思えない現実だった。この国を早く去りたいと思った。

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