2018.03.11 Sunday
祝辞
祝辞
「平成30年3月8日」
心から、早稲田大学合格おめでとう、と言います。よく受かった! 二度受かるのは難しいよ。人生に一度の僥倖だ。
学歴という意味での挑戦にはピリオドが打たれたのだから、これから先の人生は、柳に風で流してください。失敗したらとことんがっかりする、眠れないならとことん寝ない、受け入れられないならとことん拒否を甘受する。かならず反作用が起きます。とことんがっかりしたらかならずもう一度やる気になります、とことん寝なければ道端で横たわりたくなるほどの熟睡がやってきます、とことん拒まれれば宗教的と言っていいほどの慈愛が芽生えます。
ものごとは一途に、ぶれずにやることです。反作用が起きるまで。今回は、挫折の反作用で合格が訪れました。しかしこんなものは、人生の数直線上のたった一点の僥倖にすぎません。反作用は人生の不思議から生じる僥倖です。努力の結晶などとほざいてはなりません。一途に、ぶれずにやった結果の幸運なのです。
たくさんの幸運に恵まれるよう祈ります。出会った人間が不幸になるのは悲しい。きみたちの幸運を眺めながら生きていきたい。一途にぶれない姿は、もう眺めました。今回の幸運も眺めました。噂で、テレビで、新聞で、きみたちの幸運が、これからもしばしば耳に入ってくることを願います。
誇り高き早大生として、喜び、悲しみ、苦しみ、挫折と僥倖に満ちた、スリル満点の学園生活を送ってください。生きていたらまた会いましょう。十年ぐらいはこの言葉が有効かもしれません。 川田 拓矢