一人の人間に多くの役割を求めることはできない。多くを求めると、すぐれた単一機能の美しさを保てなくなる。人は強く、美しく、一つの人生を生き抜くべきだ。
愛河 中日ドラゴンズ41より抜粋
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愛河 東大249より抜粋
]]> 短いあいだに二人の知人に声をかけられた。こうしたことは、おそらく意外なできごとなのだろうが、私はまったく感銘を受けなかった。彼らもそれほど心を打たれた様子はなかった。こんなものだろう。むかし見知った顔が通り過ぎただけだ。たがいに会わなくなってから築かれたそれぞれの生活は、微塵も影響を受けない。私を育てた〈場所〉には会いたいけれども、人には会いたくない。会えばかならず幻滅する。幻滅は、予定されていなかった悲しみだ。
もう一度宮谷小学校を見やりながら帰路に着く。なつかしい微笑を浮かべて迎える場所はほとんど消えてなくなり、人間だけが毎日笑いながら生き延びていた。青木小学校と宮谷小学校は目に収めた。繰り返し子供を吸収し吐き出す公共の場所だけは、消えてなくならない。そこは、子供たちが溌溂と烏合して、喜びの記憶を残す場所だ。
(愛河 東京大学217章より抜粋)
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順風、逆風、頬に受けよ。
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雨 かきくらし降る
くりや溝(どぶ)に吐き出される水の音
親しみを強いてやまず
外に 黒犬の濡れしぼつ
雨 かきくらし降る
「全き詩集」『淡彩の序』より抜粋
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校庭。羊どもの不安と性欲を解消する遊園地。
「愛河」より抜粋
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]]>海さして なだれていく坂道に
澎湃(ほうはい)と
草の香はみなぎり
海が聞こえる……
「全き詩集」筆健なき女の未来に『S〈5〉』より
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ああ 堤川
なさけあるならかへりせよ
われの恋するはらからの
われを顧(おも)えることだになきとも
「全き詩集」唄う頃『堤川』より
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迸(ほとばし)り落ち合い
たゆとう心のままに
うつつ世の
澪標(みおつくし)を渉れ
悲しまずに
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]]>失敗の人生である。
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千年を生きられたら
かくも色濃く
思い出は石面(いしづら)を染めないだろうに…
「全き詩集」『思い出』より
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友情と向学心は、愛と知性を包摂する。
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両儀交わるところ愛あり
人と人との前線に倒ることを覚悟しつつ
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]]>こども叱るな 来た道じゃ
年寄り笑うな 行く道じゃ
…………
「全き詩集」傷逝の歌 より
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