JUGEMテーマ:読書
 

 受験生は、現世利益を求めてくるくる変わる文明の中で暮らしており、その移り気の精気をたっぷり吸いこんでいる。そんな彼らを遠い不確定な目標につなぎとめておくには(その果てにはどれほど生命と情熱の躍動が約束されていようとも)おりおりの試験の興奮と猛勉とであいだをつないで、最後の利益獲得(それは立身であり、物質の充足である)のための欲望を正当化して、そこへ向かう精力を貯えさせておくことが、何よりも肝心なのだ。

 人間、強い感動に奮い立つときは、低俗な考えなどいっさい振り捨ててしまうものだが、そんな高邁な瞬間はたちまちのうちに消え去る。人間という製品の永久不変の構造条件は、卑俗さということだ。もし彼らを生命と情熱の躍動などという究極のロマンティックな目的にのみ縛りつけたとすればそんなことをすれば、その目的に愛想をつかして脱落するものが数え切れないほど出るだろう。彼らから現世利益獲得の望みを奪ってしまってはならない。


Calendar

S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< October 2019 >>

Archive

Recommend

あれあ寂たえ―夜の神話
あれあ寂たえ―夜の神話 (JUGEMレビュー »)
川田 拓矢
 筆者18歳から書き溜めた随想集の集大成。
 本の題名である「Alea Jacta est」は、ラテン語を日本語にモジったもので、「ああ、よくここまで生きてきたものだ」の意味。
  エピグラフは、旧約聖書の「伝道の書」。
   『すべてのことは人をうみ疲れさせる
   人はこれを言いつくすことができない』

1  笑い疲れているが、あしたも笑うであろうということ。
     ・・・・・・・・・・
  山師にまごうかたなき挙措を、あしたも耳朶を戦かせながら繰り返すであろうということ。
  きょうと同じように、あしたもこの世の摂理に殺されつづけるであろうということ

Recommend

風と喧噪
風と喧噪 (JUGEMレビュー »)
川田 拓矢
本体価格:1,800円
『もっとさびしい唄が聴きたい。 聞こえる、聞こえる 窓のむこう 耳を濡らして、夢醒めた夜に。』p.206抜粋
「牛巻坂」の続編とも言える作品。主人公・純一はどうして死を選んだのか。

Recommend

牛巻坂
牛巻坂 (JUGEMレビュー »)
川田 拓矢
価格:1,890円 国内配送料無料
愛―このありふれた歓びと苦脳に翻弄される少年の魂。繊細かつ豊饒な筆致で描き出す凛烈な抒情。

Recommend

鯉人―淀屋辰五郎想い書
鯉人―淀屋辰五郎想い書 (JUGEMレビュー »)
川田 拓矢
価格(税込): 3,150円
元禄一代男淀屋辰五郎―その凄絶なる滅び。天下の台所大坂に君臨した御用商人「淀鯉」の盛衰絵巻を異才川田拓矢が鮮烈に描き切った入神の傑作。

Recommend

全き詩集
全き詩集 (JUGEMレビュー »)
川田 拓矢
本体価格:1,456円 
川田拓矢の詩は滑らない。
世界の中心に向かって最短距離を疾走する彼の言葉達は無謀なヘッドスライディングを必要としないのである。
―竹内銃一郎(劇作家)―

Mobile

qrcode

Selected Entry

Comment

Link

Profile

Search

Other

Powered

無料ブログ作成サービス JUGEM